TOEIC940朝田の英語勉強ブログ

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【英熟語】in hot waterの意味(+広告における表現の難しさ)

今回は in hot waterという表現について解説していきます。

 

 

in hot waterの意味

「 困ったことになった、面倒なことになった」という意味です。

in troubleとかpredicamentみたいな表現だと考えればわかりやすいと思います。

 

直訳だとhot waterはお湯ですが多分ニュアンスとしては「地獄の窯」みたいなイメージのほうが意味に近い想像になるかもしれません。

 

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「お湯ん中」だとちょっとドリフすぎるので …

使用例

先日、とってる授業でコマーシャルにおける表現と差別的表現についての話があり、その関係で批判を受けたNiveaの広告についてのハフィントンポストの記事を読みました。(そういえばハフィントンポストってもともと海外のサイトなんすね…日本版しか読んでなかったんでなんとなく日本の会社というイメージを持ってました…)

www.huffpost.com

 

この記事の冒頭で以下のように使われています。

 

Like CadburyDove and Summer's Eve before it, Nivea may have just landed itself in hot water for a questionably racist ad. 

 さっそく使われています。

ニベアが人種差別的だと呼ばれている広告が原因で苦境に立たされているようだ」といった感じです

 

 

ここからはそもそも何があったのかについてみていきます。まず手始めに文だけポンと提示されても不親切なので、件の広告も貼っておきます。

 

 

これはニベアのメンズスキンケア商品の広告です。

 

黒人男性がアフロヘア―の男性の頭部(他人のではないです、過去の自分の顔をイメージした演出です)を投げ捨てようと踏ん張っているポーズの写真が使われています。

 

 

広告の真ん中には”RE-CIVILIZE YOURSELF”の文字。

 

こんな感じの広告です。要は「この商品を使って綺麗な顔を手に入れようぜ!」というアピールです。

 

この広告の問題点

この広告の批判理由としては「黒人男性のモデルに対して”RE-CIVILIZE YOURSELF”というスローガンを使ったこと」が挙げられます。

 

また、モデルの男性のアフロヘアに対して負のイメージを持たせているところも人によっては不快感を覚えるところかもしれません。

 

一応スローガン内で使われているcivilizeという単語について確認しておきます。

eow.alc.co.jp

 

英辞郎から引用すると、

  1. 〔未開の社会を〕文明化する
  2. 〔文化に関して人を〕洗練させる

という意味です。

どちらの意味にせよcivilizeという単語は「野蛮なものまたは遅れているものを、最新のものにアップデートする」というような意味だといえます。

 

みてわかる通り、この広告で黒人男性がモデルとして出演しています。

 

ここが問題です。上述の通り、civilizeという単語は「洗練させる、文明化させる」という意味で、裏を返せばこの単語が使われる対象は「洗練されていないもの、未開文明のような存在」ということになります。

 

そのためこの広告では「黒人(男性)=未開な人種」という印象を与えかねないため、批判を受けているのです。

 

ハフィントンポストの記事中ではこの広告の問題点について以下のように説明しています。

Nivea's pick of slogans might have been entirely arbitrary. But, as many argue, it could be that the brand is playing on one of the most pervading racial stereotypes applied historically to the black community.

 

it could be以下の部分のみを訳すと

 

「このブランド(ニベア)が広く蔓延している黒人のコミュニティについてのステレオタイプを喧伝することに加担している、と受け止められかねない」

 

というような内容です(playing onのあたりは意訳しました)。

 

かなり前置きが長くなってしまいましたが、

「このような企業だという印象を与える恐れがある」というのがここでのin hot waterの意味合いです。

 

だいぶ長くなってしまいましたが以上が英熟語解説+この広告の問題点でした。

余談:配慮したCMを作ることの難しさ

注意:こっからは余談です。英単語の解説とかないです。 

 

 

 

今回取り上げた記事は単純に授業の課題をやるために調べて見つけた記事ですが、批判を受けたほかのCMについても気になってこれ以外にも”commercial criticism”などのWordで調べてみました。するとこれが結構でるでる。

 

ざっといくつか記事を見たところ傾向としては”特定の人種(基本的には非白人)に対する描き方への批判”や”女性のロールモデルに対する批判”などが多いです。

いくつか貼っておいたので興味ある人は読んでみてください(というか後日こっちで読んで記事書くかもしれません)

www.theguardian.com

www.huffpost.com

www.huffpost.com

www.bbc.com

 

日本の批判を受けたCM

少し、話がそれますが私はかつて小中学生の時くらいに「放送禁止CM集」のようなワードでyoutube出動画をあさってたりしましたが、その場合出てくるのは「エロかったり、過度に恐怖をあおる表現」がでクレームが殺到していたCMがほとんどでした。

(最近覚えてるのだと要潤鈴木砂羽の出てるエリンギのCM、あれは思春期の学生に作らせたんじゃないかってくらい直接的過ぎて面白かったです、もちろん内容的には流さないほうがいいだろう、とは思いますが)

 

良くも悪くも比較的イノセントな批判理由が多いな、と思いました。

 

…とはいえ、もちろん日本のCMにも人種的な偏見が含まれてるとして批判を受けたものはあります。

 

下に貼ったのはバカリズム西島秀俊が出ていた航空会社のCMです。結構有名だったので覚えてる人もいるかもしれません。

 

www.youtube.com

 

問題になったのはCMの後半でバカリズムが白人男性を模すために「付け鼻+金髪のウィッグ」を着用する、という演出です。

 

これが白人男性の要旨を馬鹿にしている、ステレオタイプ的に描いてるとして批判を受けてCMが取り下げになりました。

 

なんで海外にせよ日本にせよこういった事態になってしまうのかというと「広告の作成者側と視聴者の間でその表現に対する認識が異なる」という問題があると思います

 

つまり、作ってる企業やコピーライターたちにとっては「コレ、いけてるんじゃない?」もしくは「コレ、何でダメなの?(ダメなとこないよね?)」という認識ですが、そのCMを見た人たち(特にそのCMで使われているモデルとある程度共通点のある人たち)にとっては不快な表現であったりするわけです。

 

上のバカリズムのCMでいう白人男性たちの描き方に制作陣が無頓着だった(無頓着すぎた)のが原因だと思います。

 

しかし、個人的には正直わからなくもないというか…。

 

日本は、立地もそうですがほかの国と比べるとそこまで「人種のるつぼ」というほどでもなく、(実際にはかなりいるはずですが)あまり町で海外の人を見かけない、というような理由でなんとなく「単一民族幻想」のようなものを抱いてしまって、それが結果的に多民族に対する偏見の表出につながっているのではないかと思います。

 

やれグローバル社会だ、多様化だといっても、(少なくとも私の肌感覚では)周りでは「そういうのは一部の人たちの話でしょ」という雰囲気が感じられます。

ニベアの広告について、美容系の広告における表現の難しさ

 

私が今回のニベアの広告について一つ気になったのは”もし、モデルが白人男性でコピーも同じままだったら炎上しなかったんじゃないか”という疑問です。

 

黒人男性の描き方についてセンシティブな意識を持たないといけないのは大前提だと思いますが、そもそも「美容系(特に美”白”系)のCMと黒人モデルを使う」というのがかなり難しい2つの要素なのではないか、と思います。

 

従来の、というか基本的には殆どのスキンケア用品などは”きれいな、白い肌”というのを目標にして作られていて、消費者もそういったコピーをみて購買意欲を掻き立てられる、という関係があると思います。(もちろんこれ自体がアフリカ系アメリカ人を考慮してない関係だというのはあります)

 

そして、ここに綺麗な、とかの表現を使うことによって「白いこと=綺麗」という関係と暗黙の裡に「白くないこと=綺麗でないこと」という関係が構築されてしまうのだと思います。

 

 

 

こんがらがったのでここらへんで記事を終わりにします

なんだか書いてるうちによくわからなくなったのでここまでにします。

 

後半、だいぶ余談が長くなってしまいました。しかし、個人的にはこういうことには興味があるので許してください。

 

一応、英語の勉強もしているつもりです(一応ってなんだ…)

 

それでは