TOEIC940朝田の英語勉強ブログ

英語学習についての備忘録ブログです。【ブログ主の取得資格】英検準1級、TOEIC(LR)940

勤務中の警察官の不倫が発覚しクビに…しかし、それだけでは終わらないアメリカの女性警察官【海外ニュース】

 

 

今回はyoutubeで見つけた興味使い海外ニュースを取り上げて紹介します。

 

 

今回紹介する動画はABC Newsの公式チャンネルに挙げられた"Cops Caught Kissing, Woman Fired, Man Resigns"という動画です。

 

こちらがその動画です(youtube上でないとみれないようなのでリンクをクリックしてyoutubeで見てください)。

https://www.youtube.com/watch?v=BCm2oAU3TqU

www.youtube.com

 

 

どんなニュース?

 

簡単に言うと、

 

オハイオ州の女性警察官とその上司の警察官(既婚)が勤務中に不倫していたよ、でも車内に設置されてるカメラに全部筒抜けでバレてクビになったよ、という話です。

 

 

…ちなみに、この二人、強盗の犯人を捕まえて護送している途中でふたりイチャラブこいてるんですが、このときバックシートに犯人います。犯罪者の前でイチャついてるんです。すごいもんだ…

 

証拠写真

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…ここまでなら日本のニュースでもよく聞くおバカ警察官の話だといえます(よく聞いちゃだめですが)

 

 

肝心なのはここからです。このニュースがメインで報じているのはそのあと。

 

 

なぜ男性のほうはクビにならず、女性のほうだけクビになったのか?

 

という点です。

 

クビになった女性警官の訴え

該当部を引用します。

police chief was allowed to retire and walk away with full benefits while the female cop admitted wrongdoing and says she tried to resign but instead she was
fired.

 

 ここでいうpolice chief(男性警察官のことです)が受け取ったbenfitsはおそらく「退職手当」のようなものです。男性のほうは辞職を選ぶことができた(=即刻解雇にならなかった)のですが、それに対して女性警察官のほうは辞職できず解雇されてしまったため退職金がもらえなかった、という話です。

 

 辞職でなくてクビになってしまうと退職金がもらえないというのはもちろんですが、それ以上に女性にとっては「なぜどっちも同じ悪いことをしたのに、処罰の重さが異なるのか? 女性だから退職金なんてやらなくてもいいだろうと思われてるんじゃないのか?」という疑問があり、訴えたという経緯のようです。

 

 

 件の警察官はどちらとも不貞行為をしかも勤務中に行ったという点では非難されるべき人物です。しかもABC Newsという超有名な局に実名・顔バレした状態で放映されています(しかも今回私がブログ記事に書いているように地理的に遠く離れた私にもみられています)。

 

しかし、女性警察官は、不貞行為に対する処分の違いが女性蔑視的なものに起因するのではないかとして自分に対する不当な扱いに対して異議を申し立てたのです。

 

女性警官の行動に対する考え

この行動に対して、意見が分かれると思います。

 

「不倫なんかバカなことしてるのに訴えるとか厚かましすぎだろ」「まずは反省して禊すましてからだろ」「不倫相手の奥さんがこれ見てどう思うよ?」など。

 

 

なんなら、私も上のような気持ちは少なからずあります。

 

しかし、人には自分の受けた処分に対しておかしいと感じたらそのことを伝え、必要ならば行動を起こす権利があります。

 

 

正直、私は過度に特定の国を持ち上げたり、反対に過小評価したりといった国民性のような曖昧な語を使用するのはあまり好きではありませんが、このニュースを見て「もし日本で同様のことが起きたら女性警官は訴えを起こすだろうか?」と考えました。

 

 この女性警官は確かに警察官としてはよくないことをしたが、同時に私は、「それはそれ、これはこれ」と割り切るように訴訟をする態度というか考え方のようなものには関心を覚えました。

 

単語・表現集

 

このブログは英語学習のためのブログなので、ただ海外ニュースの紹介するだけでなく、動画内でできた表現をまとめていきます。結構いろんな表現やイディオムが使われていました。

 

  • caress:(性交を伴わない)愛撫をする
  • cozy up:取り入る、親しくなろうとする
  • snuggle:抱きしめる、すりすりする(ここではcaressとほぼ同じ意味?)
  • all the while:ずっと、その間ずっと
  • township:群区(土地の区画の一種)
  • six-figure:6桁、つまり10万ドル以上のこと。*ここでは、女性が警察署に訴えた額がsix-figure fine,10万ドルの罰金を求めた、という内容で使われている。
  • tender(v):提出する  *ここでは"tender the resignation"(辞職を願いでる)というコロケーションで使われている。
  • on the clock:勤務中である
  • open-and-shut case:単純明快な問題
  • have a good case:(訴訟に勝つだけの)充分な言い分がある

 

おまけ

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ニュース冒頭のキャスターの顔です(笑)。いい笑顔だ

 

 

【メモ】INLA(Irish National Liberation Army) アイルランド民族解放軍 について

 

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先日読んだ本で「INLA」という名前が出てきたので、調べて分かったことを自分への備忘録がてらブログにざっくりまとめます。

 

 

・INLAとは?

 INLA(Irish National Liberation Army)は日本ではアイルランド民族解放軍」と呼ばれている、アイルランドで活動するテロ組織です

 かつてアイルランドにはIRA(Irish Republican Army)という「アイルランド共和軍」という「北アイルランドの独立」を目指して結成されたこれまたテロ組織があったのですが、組織内での方針の対立に伴って分派する形でINLAは結成されました。

 

 要は、IRAの分派グループです。

 

 大きな特徴として、IRAよりも過激な活動を行い、数々の爆破事件や殺人事件に関与してきたと考えられています。IRAは1972年に停戦を表明するのですが、この行為に反発を示したメンバーが中心になってINLAを75年に結成します。それから98年の停戦表明までの13年間活動していました。

 2010年には武装解除を発表しましたが、それ以降も組織関係者がかかわっているとされる事件が頻発しています。

 

・INLAの活動遍歴

 結成から停戦表明までの期間でINLAがかかわった主な事件をまとめます

 

 

  • 1975年 結成
  • 1979年 エアリー・ニーヴ(Airey Neave)を爆殺
  • 1980年代 ハンガーストライキでINLAメンバー3人が死亡
  • 1982年北アイルランド北部・バリーケリーのパブにて爆弾テロ
  • 1992年 イングランド中部・ダービーの英軍リクルートセンターで兵士を殺害
  • 1997年 当時Maze Prisonという場所に収監されていたBIlly WrightをINLAメンバーが射殺
  • 1998年 停戦表明

 

 1979年に殺害されたエアリー・ニーヴ(名前見ても全く見当もつかないと思いますが、男性です)ですが、彼は、イギリス発の女性首相マーガレット・サッチャーの政治アドバイザーであり、私生活でも親友としてサッチャーを支える人物でした。

 

f:id:hideotakeshi:20211205181459p:plain エアリー・ニーヴ



 つまり、アイルランド人が敵対している国家イギリスの当時、政治のトップに君臨していた人物の側近を殺害(しかも、車に爆弾を仕掛けて爆殺するというむごい方法)したので、事件の与えた衝撃は計り知れないものだったことは想像に難くないでしょう。

 

(ちなみに、『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』という映画でエアリー・ニーヴについて触れる場面があるようです。気が向いたら見てみようと思います)

 

www.amazon.co.jp

 

 このように、INLAは小規模ながら、多くの事件を起こし、社会に不安と恐怖を与えていきました。

 

 

 

・参考文献

BBC News Who are the INLA?

www.bbc.com

 

公安調査庁ホームページ『アイルランド民族解放軍(INLA) 国際テロリズム要覧2021』

www.moj.go.jp

 

時事英語 ~中国の政治系インフルエンサーZiganwu~

今日はいつもと少し内容を変えて、時事英語(?)を紹介していきます。

 

今日紹介するのはZiganwuという単語です。

 

China: The patriotic 'ziganwu' bloggers who attack the West

 

中国の政権寄りインフルエンサーの話

Ziganwuという、中国のソーシャルメディアで中国のナショナリズム的投稿を繰り返すインフルエンサーのこと、Guyanmuchanはそのうちの一人

 

Ziganwuはwumao(金銭受け取って中国のプロパガンダを拡散した人々のこと urban dictionaryに記事あり)に近いが、Ziganwuはそれを無報酬でやっているという違いがある。

 

*参考 Wumaoのウィキペディア記事

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%94%E6%AF%9B%E5%85%9A

 

 

国家だけでなく“separatism”分離主義者とされる人や、台湾香港寄りの意見を持つ識者、専門家なども標的にする。実際にライターのFang Fangが標的になった

 

直近では医療の専門家Zhang Wenhongが中国はコロナと共生しなくてはいけない、と発言した後に政権の掲げる方針と異なるものだとしてZiganwuの標的になった。Ziganwuたちは彼の過去を調べつくして、過去の論文で剽窃があったと主張し、彼は勤務先を解雇された。

ついには、朝食に牛乳を飲むということすら「伝統的な中国の食習慣をこわす」ものだとして非難される。

Ziganwuの投稿は扇情的かつ簡潔でこの点もあり、よくばずると分析されている。Manya Koetseという中国のソーシャルメディア評論家曰く”This is fast food nationalism”と評される。"People have a bite of it, share it, then forget it."

 

このような最近の中国のナショナリズムをあおるような投稿は最近の米中の対立が関係している、と結論付けるのは不十分でほかにも原因がある。Ziganwuは学生時代に、anti-foreignとpro-chinise的な教育を受けてきた

 

加えて、中国ではソーシャルメディアが事実上中国政府に監視されているため、政権批判的な内容は迅速に削除・凍結させられるため、人の目につきづらい。反対に親政権的な内容は残りやすい。たまに、政権のほうから内容を過激化したうえで再掲することもある。これも世論がナショナリズム的になることw助長している

 

上述のソーシャルメディア上の言論統制があるため、インフルエンサーになろうと思ったら政権に好意的な内容をつぶやくしか身を立てる方法がない。つまり構造的にziganwuが生まれる環境になっている。人気になれば、個人のブランドを展開したり、広告収益も期待できる。政権が招聘してスピーチを行わせることもある

ただし、ziganwuが突如投稿を削除・検閲されることもある。線引きはかなりあいまいなものとなっている。

実際にGuyanmuchanも15日間weiboのアカウントが突如投稿できなくなってしまったことがあった。

 

Screenshot of Guyanmuchan video

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まとめ

 

  • 現在、中国のSNSでは”Ziganwu”と呼ばれる、親政権的発言を繰り返すインフルエンサーが増えている
  • Ziganwuは西洋社会、中国政府と意見を異にする個人、西洋の文化(フェミニズム、人権)などを批判対象とする
  • 中国にはWumaoと呼ばれる、中国政府を称揚する投稿をする見返りに報酬を受ける人がいたが、Ziganwuはこれを「無報酬」で行う、という違いがある
  • 中国ではSNSが政権により厳しく監視されているため、政権批判的な投稿はすぐに削除され、反対に親政権的投稿は残るため、Ziganwuの投稿は人の目につきやすく、よくばずっている
  • ↑の状況もあるため、中国でインフルエンサーになるには政府に媚びる内容でないと人気になることができないという環境があり、これがZiganwuを生む原因の一つとなっている
  • 有名になれば政府からイベントに招待されることもある。
  • ZiganwuもSNS統制を免れることは難しく、政権批判をしていないにもかかわらず投稿を停止させられたZiganwuもいる。

 

Fawn over 機嫌を取る(fawning over foreigners?)

 

 

 

 

 

 

戯曲『ロンサム・ウェスト』(マーティン・マクドナー)を読んだ

 

 マーティン・マクドナーの初期の戯曲、『ロンサム・ウェスト』(2006年11月号に所収。芦沢みどり訳)を読んだ。大学図書館早川書房からでてる「悲劇喜劇」という雑誌のバックナンバーがあり、たまたま手に取った号に載っていた。いい機会だと思い、読むことにした。

 

ndlonline.ndl.go.jp

 

ストーリー

 話はアイルランドのゴールウェイ郡リーナンを舞台に進む。コールマンヴァレンという非常に仲の悪い兄弟が、二人の父親の葬儀を終え、最近リーナンに派遣されたウェルシュ神父とともに帰宅する。コールマンが誤って父に銃を発砲してしまい死なせてしまったのだ。兄弟は父親の死に際して感傷に浸る…ようなことは特になく、参列客に文句を言い、あらゆることで口喧嘩をはじめ、しまいには手を出すまでに発展するが、神父は威厳がなく止めることができない。ウェルシュ神父は登場人物のほとんどから名前を「ウォルシュ」と間違えて呼ばれるなど慕われていない。町の若い娘ガーリーンからも名前を間違えられ、頻繁にからかわれる始末だ。

 

 リーナンはとにかく治安が悪く、兄弟の口から語られるエピソードは、どうやら子供が親を斧で頭をぶった切って殺害したなど凄惨なものが多い。ほぼ確実に殺しているらしいが、警察がまともに動かないため殺人犯はとくにお咎めなく暮らしている。ウェルシュ神父はリーナン地区に来てから自分の仕事に自信を失い、酒浸りになる。

 

 だが、ある日、町で一人の男が自殺をしたことから物語は急展開を迎える。神父は犯罪や人の死の絶える気配のない街に嫌気がさし、コールマンら兄弟に手紙を書き、ガーリーンにこれを二人に渡してくれと頼んで「今夜、町を出る」といいながら立ち去るが…

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日本でなじみの薄い単位「インチ・フィート・ヤード・ポンド」

 

海外の小説や映画を見ているとフィートやポンドなどの日本だとあまり使うことのない単位が使われることがあります。そのたびに「これって何センチだっけ…?」って思ってググってまた忘れるというのを繰り返しています。

 

 

 

作品の舞台が海外である以上、登場人物たちにはそういった単位を使うのは自然なんだと思いますが、こちらとしてはそのたびに「…?」となってしまうのも事実です。

(ちなみに、私がかつて翻訳入門の授業を受けたとき、上にあげた単位は「そのまま使うのではなくメートルとか日本人になじみのある単位に直すのがベスト」と言ってました)

 

 

 

今回の記事は、何回も調べては忘れるというのにうんざりしたので、自分への備忘録がてら各単位の換算表を作ろうと思って書いています

 

 さっそく結論です

 

単位の対照表

インチ=2.54センチ

フィート=約30.5センチ

ヤード=0.9144 m

ポンド=0.453592㎏(めんどくさいのでおよそ453g)

 

以上!!

これを覚えましょう(to自分)

 

とはいっても細かすぎたり小数点以下が多すぎるので四捨五入して覚えやすくします↓

 

単位の対照表(ざっくりバージョン)

インチ=2.5センチ

フィート=30センチ

ヤード=1 m

ポンド=450g

 

こっちのほうが文中で出てきたときに概算しやすいですね、私はこっちで行きます

 

 

それでは~

 

 

マーティンマクドナーという作家について

先日「スリービルボード」という映画を見ました。それが面白かったので、監督のほかの作品も見てみようと思って調べました。

 

 

マーティンマクドナー(Martin Mcdonagh)について

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マーティンマクドナーは1970年生まれのイギリスおよびアイルランドの劇作家、脚本家、映画監督です

 

「イギリスおよび~」とあるのは、両親はアイルランド出身だったが、イギリスで育ち、たまにアイルランドに帰省するという生活をしていたからだそうです。

 

 

 

キャリア

1996年、マクドナーが 26歳の時に”The beauty queen of Leenane”という作品でデビューし、そこから多くの戯曲を執筆します。

 

 

 

 演劇作品では、特に初期作品にアイルランドを舞台にとったものが多く、アイルランド西部のコマネラ地方を舞台にしたリーナン三部作やアラン島を舞台にしたアラン諸島三部作などがあります。

 

 2005年になると、演劇からは離れて「シックスシューター」という映画を監督し、アカデミー短編映画賞を受賞します。2008年にはコリン・ファレル主演のヒットマンズレクイエム」ウディ・ハレルソンサム・ロックウェルらが出演した「セブンサイコパスと次々に作品を発表していきます。

 

 

 

 


www.youtube.com

 

2010年以降も戯曲「スポケーンの左手」(2010)や「ハングメン」(2015)などを発表し、2017年に監督した映画「スリービルボードで世界的に有名になりました。

 

 

作風

マクドナー作品の大きな特徴として「ブラックユーモア」と「グロテスクな描写」が挙げられます。

 

これもwiki出典ですが、ジャンルとしては「ブラックコメディ」もしくは「in-yer-face theater」と分類されるようです。

 

 

in-yer face theater(イン・ヤー・フェイス演劇)についてはこちら↓

www.repre.org

 

 

 

 

ジャンル名だけいわれてもあれなので、私が現状唯一読んだことのあるマクドナー作品の”The Lieutenant of Inishmore”を例に説明します。

 

いきなり説明してもわかりづらいので少しストーリーを紹介します。

 

**この章ではネタバレを含むので知りたくない人は次のところ(日本での受容)まで飛ばしてください。**

 

The Lieutenant of Inishmoreのあらすじ(ネタばれあり)

この作品は1993年の、紛争で荒れていた時のアイルランドが舞台となっています。

 

パドレイクというIRAからも疎まれるような凶暴なテロリストが主役です。パドレイクは幼いころからいとこに暴力をふるって車いすにしたりと手の付けられない残忍な性格の子供で成長してからもやはり凶暴で現在はINLAというテロ組織に所属して、各地をテロ行為のために飛び回っています。

 

しかし、そんなパドレイクには子供の時から飼っているウィートーマスWee Thomas(という黒猫がいて、「この猫だけがオレの友達だ」というぐらいに溺愛しています。

 

パドレイクが家を離れてたくさん乱暴しているころ、道でウィートーマスが轢死しているのが見つかります。見つけたのは近所に住むデイヴィ。デイヴィはパドレイクの父ドニーに死んだウィートーマスを見せます。

 

あんな凶暴なパドレイクがもしこの事実を知ったら自分たちも危ないと恐れた二人は別の黒猫を用意してごまかそうとします。

 

さらに、乱暴なパドレイクに嫌気がさして暗殺を計画しているIRAのテロリスト三人(ブレンダン、ジョーイ、クリスティ)も島に上陸する…

 

といった感じのストーリーです。

 

この作品に限らないことですが、マクドナーの作品ではかなりの割合で登場人物が死にます。

 

 

この作品(”The Lieutenant of Inishmore”)ではほとんど死にます。しかも、かなりグロい死に方をします。詳細は省きますが、はじけたり、バラバラになったりします。

 

 

戯曲を読んでて、状況を想像しながら読んだら少し気持ち悪くなった箇所がありました笑

 

が、面白いです。何人かの登場人物がバカなことをやっていたり、単純に発言がバカだったりします。状況自体はシリアスなんですが、どこか抜けてる言動もあいまってなぜか笑いを誘われます。

 

シェイクスピア研究者の北村紗衣がブログでロンドンの劇場での観劇レポートを書いているのですが、それによると

冒頭でポードリッグがドラッグの売人を逆さ吊りにして拷問するところからなんかもうおかしいし、終盤でバラバラにされた人体がイニシュモアの田舎の家にぶらさがってるあたりは会場大爆笑だった。

https://saebou.hatenablog.com/entry/20180718/p1

とのことです。

 

評価

 劇作家、映画監督のどちらも高い評価を受け、マクドナーはローレンスオリヴィエ賞(イギリスで最も権威のある演劇の賞)やアカデミー賞ヴェネツィア国際映画祭などでの多数の受賞を経験しています。

 

ざっくりと調べた限りですが、マクドナーの発表した作品はだいたい何かしらの賞にノミネート・もしくは受賞しています。

 

日本での受容

マクドナー作品は日本でも人気があり、何度も作品が上演されています。

 

有名なところで言うと長塚圭史が2003年、2006年に二回、演出を手掛けた「ウィートーマス」(戯曲の原題は"The Lieutenant of Inishmore"で、舞台化されたときは"Wee Thomas"という作品に出てくる猫の名前が冠されています)があります。

stage.parco.jp

 

ほかにも堤真一瑛太「ロンサムウエスト」という初期作品に出ていたりしています。

www.cinra.net

最近も(この記事を書いてる2021年6月)演劇集団 円 が5月に「ピローマン」をやる予定でしたが緊急事態宣言の発令で公演延期になりました(現状公演時期未定)。

 

en3987.wixsite.com

 

 

多くの賞を受賞し、有名な作家といっても過言ではないマクドナーですが、日本語で読める作品はかなり少ないと言わざるをえません。

 

演劇作品に限って言うと現状日本語で読める作品はほぼありません。

 

そもそも海外戯曲の翻訳がほとんどないのかもしれませんが、マクドナー作品の日本語訳はほとんどないです。

 

「ほとんどない」といいましたが、厳密にいえばあるにはあります。wikiによると「ウィートーマス」と「ハングメン」の日本でやった時の台本がパルコ出版から出ているようです(ハングメンの台本は現在発売されていないようです。)

stage.parco-enta.com

 

私は、最近マクドナーの戯曲を初めて読んだのですが、アイルランドが舞台ということもあり、アイルランド訛りが多用されていてかなり読むのに苦労しました。

 

英英で検索してもでてこないスラングや文法が崩れたセリフなどが多く、いわゆる学校で習ったような英語とは全然違い、何が起きてるのかを理解するのが大変でした。

 

そういう意味でも、私はぜひ日本語版で出版してほしいと日々願っています。

 

かつてハヤカワ演劇文庫で国内・国外問わず様々な戯曲が文庫化されていたのですが、こんな感じで最近の作品もやってもらえるとありがたいんですが・・・・

 

終わりに

スリー・ビルボード」を読んでからマクドナーの作品と演劇に対する興味がにわかにわいてきて、最近私は戯曲を漁っています。こうなるなんて全く予想だにしなかった・・・

 

 

ちなみに今は"The cripple of Inishmaan"を読んでいます。加えて先日Amazonマクドナーの初期作品集を注文しました。とりあえず一通りマクドナーの作品(映画も含む)に触れていこうと思います。

 

マクドナーの作風のところで触れたのですが、in-yer-face theaterというジャンルについて調べている過程でSarah Kane(サラ・ケイン)という28歳で夭折したイギリスの戯曲家を知ってその人の作品も今度読んでみようと考えています。

en.wikipedia.org

それでは

 

"CHIMPO"について

 

今日は"CHIMPO"について解説していきます。

 

CHIMPOとは?

 

 

2021年3月末にイギリス王室のヘンリー王子についてのこんなニュースが話題を呼びました。

www.nikkansports.com

yahooニュースに掲載すれば大盛り上がりしそうな記事です。

それはさておき、この記事にある通り、イギリスのヘンリー王子がアメリカのスタートアップ企業の”CHIMPO”という役職に就任しました。

 

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(CHIMPOのグッドスマイル)

 

日本語では「主席看板役員」ともいうみたいですが、まぁこんな堅苦しい名前よりCHIMPOのほうが親しみ深いしわかりやすいでしょう。

 

あ、誤解を招かないために言っておくとCHIMPOは「チンポ」と発音します。

 

 

ちなみに、この仕事は

「人々の生活に影響を与える」ことがヘンリー王子の役職に求められる仕事で、就任時は「積極的なコーチングは自己啓発や意識の向上、生活全般の向上に無限の可能性をもたらす」とコメントしていた。

とのことです。まぁimpactという語が入っているので影響を与えるというのはなんとなくわかります。

 

しかし、どうやって影響を与えるんでしょうか?

 

 日本語のサイトではCHIMPOについてチンポと発音することぐらいしかわからないので他にもサイトをあたってみました。

 

日本語版wikipediaの説明

ja.wikipedia.org

これを見てみると

  • 非営利団体に置かれてることが多く、営利企業に設置されるのはまれ(なくはない)
  • CHIMPOの"impcat"とは「組織がそのヴィジョンとミッションに基づいて行われた成果」のこと

だそうです。よくわかり・・・ませんね

 

ヘンリー王子が何をしているのかピンときません。表に出たり、いわゆるサラリーマンのような感じで働くわけでもないので、どうしても名目上の仕事、のようなイメージがぬぐえません。

 

ちなみに、Markteplaceという海外のサイトをあたってみると

www.marketplace.org

 

 

ヘンリー王子以外のCIO(この記事ではCHIMPOという名称の代わりにCIOが使われています、CHIMPOがお嫌いなんでしょうか)にインタビューを行い、どのような仕事をしているのか聞いていました。それによると

 

「ブリーフィングや下から上がってきたレポートの確認、パネルへの出席など」

 

だそうです。広報担当的な感じなんでしょう

 

なぜCHIMPOは避けられなかったのか?

ここまで、ヘンリー王子が就任したCHIMPOについて詳しく見てみました。Chief Impact Officerを略してCHIMPOだと。

 

しかし、「単語の頭文字だけを取って略せばよかったのではないか?」と疑問が頭をよぎります。CIOでいいじゃないか、と(marketplaceの記事でもCIOって略使ってたし)。

 

それなのに、なぜCHIMPO何て名前でGOサインが出てしまったのか。

 

 

ググれば、なにがしかのサイトが引っ掛かって、既出の名前なんだと気づいたり、サンプル動画を見たりすることができたはずです。

 

 

しかし、ヘンリー王子はCHIMPOになるしかない事情がありました。

 

Cheif Impact OfficerはなぜCHIMPOになってしまったのか?

 

検索すると実はもうCIOと呼ばれている役職が存在していたことがわかります。

www.elite-network.co.jp

CIOは、実はChief Information Officerの略で、日本語では「最高情報責任者」と呼ばれます。つまり、もうCIOの座は埋まっているため、別の略称を選ぶしかなかったのです。

 

そしてヘンリー王子はCHIMPOになりました。

 

終わりに

 

最後に、ヘンリー王子がみんなから愛されるCHIMPOになるよう陰ながら応援させていただきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

Hang in there! CHIMPO!