【メモ】INLA(Irish National Liberation Army) アイルランド民族解放軍 について
先日読んだ本で「INLA」という名前が出てきたので、調べて分かったことを自分への備忘録がてらブログにざっくりまとめます。
・INLAとは?
INLA(Irish National Liberation Army)は日本では「アイルランド民族解放軍」と呼ばれている、アイルランドで活動するテロ組織です。
かつてアイルランドにはIRA(Irish Republican Army)という「アイルランド共和軍」という「北アイルランドの独立」を目指して結成されたこれまたテロ組織があったのですが、組織内での方針の対立に伴って分派する形でINLAは結成されました。
要は、IRAの分派グループです。
大きな特徴として、IRAよりも過激な活動を行い、数々の爆破事件や殺人事件に関与してきたと考えられています。IRAは1972年に停戦を表明するのですが、この行為に反発を示したメンバーが中心になってINLAを75年に結成します。それから98年の停戦表明までの13年間活動していました。
2010年には武装解除を発表しましたが、それ以降も組織関係者がかかわっているとされる事件が頻発しています。
・INLAの活動遍歴
結成から停戦表明までの期間でINLAがかかわった主な事件をまとめます
- 1975年 結成
- 1979年 エアリー・ニーヴ(Airey Neave)を爆殺
- 1980年代 ハンガーストライキでINLAメンバー3人が死亡
- 1982年北アイルランド北部・バリーケリーのパブにて爆弾テロ
- 1992年 イングランド中部・ダービーの英軍リクルートセンターで兵士を殺害
- 1997年 当時Maze Prisonという場所に収監されていたBIlly WrightをINLAメンバーが射殺
- 1998年 停戦表明
1979年に殺害されたエアリー・ニーヴ(名前見ても全く見当もつかないと思いますが、男性です)ですが、彼は、イギリス発の女性首相マーガレット・サッチャーの政治アドバイザーであり、私生活でも親友としてサッチャーを支える人物でした。
エアリー・ニーヴ
つまり、アイルランド人が敵対している国家イギリスの当時、政治のトップに君臨していた人物の側近を殺害(しかも、車に爆弾を仕掛けて爆殺するというむごい方法)したので、事件の与えた衝撃は計り知れないものだったことは想像に難くないでしょう。
(ちなみに、『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』という映画でエアリー・ニーヴについて触れる場面があるようです。気が向いたら見てみようと思います)
このように、INLAは小規模ながら、多くの事件を起こし、社会に不安と恐怖を与えていきました。
・参考文献
BBC News Who are the INLA?
公安調査庁ホームページ『アイルランド民族解放軍(INLA) 国際テロリズム要覧2021』